寝る子はキュート、観てきました

COPA「まずは、楽しみにしていた℃-uteさんのお芝居で、不愉快になっちゃった理由を語ってみますか?」
くま「二人は不愉快になったの? 私だけが不愉快になっちゃたのかと思ってた」
さる「台本がね」
COPA「台本がねというか、ストーリーがねっていうことでしょう? ヲタを気持ちよくさせるストーリーが気持ち悪かった」
くま「少女たちとおじさんたちの交流というか、ひと夏の思い出というか。観客の想定があからさまに30代以上の男性をターゲットにしてて、そこにげんなりしちゃったの」
COPA「今は中年の死んじゃった初恋の人が舞美ちゃん舞美ちゃんは死んでしまったので歳が止まっていて、男のほうは中年になってるわけ。で、幽霊として若い舞美ちゃんが現れるのだけど、この年齢差がヲタと現実の舞美ちゃんの年齢差と同じという設定。と解釈できてしまうので、ヲタはその中年男に自分を投影できる」
くま「そういう意味では、たいへん良くできた台本」
さる「マーケティング的には的確よね」
くま「私は、その的確なマーケティングに気づいたとたん、妙にげんなりしたのね。マーケティングにまんまと乗っている私自身のことが。私はたまたま女性だけれど、もし自分が男の人だったらどうだろう? 中学生の女の子たちをかわいいかわいいって喜んで…ってことに否応なく気づかされたのね」
さる「でもそこでげんなりしてはねぇ、ヲタは務まらないですよ」
くま「わかってますよ。でも、なんかスッて冷めたのっ。なにやってるんだろう私…って気持ちになっちゃったのっ。ああいうマーケティングがあからさまなつくりはやめてほしいわ。馬鹿にされてると思っちゃう」
さる「顧客満足度は高いけど、顧客の広がりはないよね。仕事の質の広がりもないよ、あれでは」
COPA「ヲタに夢を見させるその設定のおかげで、かえって現実に引き戻され、げんなりしたって感じ。℃-uteさんが中年男を喜ばせて成り立っているという現実、さらに℃-uteさんにそんな女郎のような真似をさせるなという不快感」
さる「でもさ、中年男を喜ばせることはいけないことなの? だって、ヨ○様だって氷川き○しだって、中年淑女を喜ばせることによって成り立ってるでしょ?」
COPA「そーだよねー」
くま「中年淑女っていうか、熟年淑女のような…」
さる「どっちでもいいよw とにかく、きよしが腰振ってることで生きる喜びを得ている、きよしよりずっと年上の人たちがいるわけでしょう? それっていけないことかな?」
COPA「そーだよねぇ。それは不愉快じゃないわー」
くま「それは自分が女性だからなんじゃ…。いや、だからそれはいいと思ってるのよ私も。理屈ではそう思ってるの。だけど、自分もある意味そうなんだということに気づいて愕然としただけよ。だから、まったく自分自身の問題なの。いつまでも自分が二十歳だと思ってたのw」
さる「石川さん言うところの『大の大人』が、幼い女の子たちに欲望を向けることの不快感なんじゃないの?」
COPA「そうだねー。幼女相手にというところが根本的に気持ち悪い」
さる「自分たちは気持ち悪くないの?」
COPA「うん、性的対象として見てないから」
さる「男の人もそうなんじゃないの?」
COPA「うん、そういう紳士もいると思う」
くま「私だってそういうふうには見てないけどもw でもね、あの劇のつくりが、乱暴に言うと『私たちってかわいいでしょう? お兄さんたち、てかオジサンたち、私たちとこんなふうに仲良くしたいんでしょう? じゃれてみたいんでしょう?』ってバンバン語りかけてきてるのよ。それがもーイヤなの。そんなんじゃないってゆいたいの。そういうことしないでよってゆいたいの」
COPA「そうそう。℃-uteさんたちの宿題を見てあげたり、夏休みの工作を教えてあげたり、一緒にゲームをしたり、舞美先生にペットボトルで殴られたり、殺すぞ!って言われたりw、請われて部下にしてあげたり、おこづかいをあげたり、ヲタがやってみたいと思っている夢を叶えてくれる行き届いた設定」
さる「よくできてるよね、こういうふうに冷静に見てみるとさ」
くま「だ・か・ら・ヤ・な・のー! なんかそんなことで喜ぶと思われていることが腹立たしいと思いませんか?」
さる「でも、実際、喜んでいらっしゃる方もたくさんいらしたような」
COPA「あんな少女たちにヲタに奉仕させるなとゆいたいです
くま「そう、サービスするのではなく、普通に普通のお芝居を見せてくれたらいいの。これは℃-uteさんたちにはまったく責任がないことだけどね」
COPA「うん、本人たちはとても頑張っていたと思うよ。とても才能のある子たちだから、ヲタ向けの芝居じゃなく、演劇界で通用するような精神と技術を学べる作品に取り組んで欲しかった」
くま「リボンの騎士のようなね。ああいうファンタジックな設定であっても、きちんとお芝居に取りくんでいる姿がわかるような、そんな少女たちが見たいです」